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あんなこんなエロ短編集
第23章 悲しみが流れてゆく

「あっ、ああっ、もうイっちゃうよ!!」
萎んで行く風船のように情けない声を上げ、
男が果てる。
私の中で自分がイかせてやった、という自尊心の
ようなものが強くなる。
ーーーそうとでも思わなければやってられない。
だからそう思うようになったのかも知れなかった。
ーーー「うーん、あたしは無いけどなー」
別の日。
待機所でミィと喋る。
私が属する風俗店には色んな年代の女がいる。
家がない10代の女の子。
子供が3人いる20代の人妻。
目尻のシワを必死に隠した跡がある30代の地味な女。
皆何か背負うものがあるからここにいる。
幸いなのか、
敵対心をむき出しにするほど熱心な嬢はいないし、
店長はバツ3で養育費が沢山必要なため悪どいことは
しない。
理由がある者のほうが静かなのだ。
「してやってるっていうかさ、
どうでも良いしねあたしは」
ミィは見た目が派手な捌けた女で、
私が唯一よく話す相手だ。
口に出してはっきり聞いたことはないがミィにも
多額の借金があるようだ。
理由の詳細が何となく分かるようになってきた。
「そっか。
自分が優位に立ってると楽だからかなーって思うのよ」
「分かった!
サリやんはSなんだよ、真性の」
ミィの爪がこちらを向く。
長い爪は柔らかなピンク色で装飾されていた。
「Sかねぇ」
「普段M。
本心はSなんじゃないの?
しかしサリやんはよく考えるね、哲学系?」
ミィはにっと笑う。
何を言っても嫌味にならず、
容姿も良い。
萎んで行く風船のように情けない声を上げ、
男が果てる。
私の中で自分がイかせてやった、という自尊心の
ようなものが強くなる。
ーーーそうとでも思わなければやってられない。
だからそう思うようになったのかも知れなかった。
ーーー「うーん、あたしは無いけどなー」
別の日。
待機所でミィと喋る。
私が属する風俗店には色んな年代の女がいる。
家がない10代の女の子。
子供が3人いる20代の人妻。
目尻のシワを必死に隠した跡がある30代の地味な女。
皆何か背負うものがあるからここにいる。
幸いなのか、
敵対心をむき出しにするほど熱心な嬢はいないし、
店長はバツ3で養育費が沢山必要なため悪どいことは
しない。
理由がある者のほうが静かなのだ。
「してやってるっていうかさ、
どうでも良いしねあたしは」
ミィは見た目が派手な捌けた女で、
私が唯一よく話す相手だ。
口に出してはっきり聞いたことはないがミィにも
多額の借金があるようだ。
理由の詳細が何となく分かるようになってきた。
「そっか。
自分が優位に立ってると楽だからかなーって思うのよ」
「分かった!
サリやんはSなんだよ、真性の」
ミィの爪がこちらを向く。
長い爪は柔らかなピンク色で装飾されていた。
「Sかねぇ」
「普段M。
本心はSなんじゃないの?
しかしサリやんはよく考えるね、哲学系?」
ミィはにっと笑う。
何を言っても嫌味にならず、
容姿も良い。

