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第30章 シラナイカオ

ーーーー今日でこいつとは終わりだわ。



終わりにしなければならないのだ。



ケチな中野は金が減っていることに直ぐ気づくだろう。



入ってある金を全て取らないのは情けだ。



この１ヶ月間、買い物するたびケチが垣間見えた。



40歳を越えていて未奈とは一回り違うのに、



やたら金払いが悪かった。




未奈はメモ用紙に『今日もすごく楽しかった！



気持ち良くて何回もいっちゃった。



また今度会おうね、連絡します。



友達との約束があるから先にでますね』




そう書いて素早く着替え、



そそくさと部屋を出た。




もちろん、もう二度と会わない。




ーーーーーー１人の部屋に帰る。



一般的な同年代の人は住めないであろう高級マンションだ。



「はぁ…………落ち着くわー」




部屋着に着替え、イギリス製のお気に入りのL字型ソファーに寝そべる。



マンション内は部屋が４つある。



加えてバス・トイレ・キッチン。



１人でいると閑散としているが未奈にはちょうどいい。



寛いでいるとスマホが鳴った。



「………………あ…………」




表示してある番号は、西日本の地方都市にある実家




のものだ。