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第30章 シラナイカオ

「…………奈、未奈？？



聞いてるの？」



「えっ、あっ、うん…………」



我に返る。



窓ぎわの観葉植物の緑色がやけに濃い。



「会社、休み取りやすいんでしょ？



大手は違うわねぇ。



母さんいつも洋子（ようこ）おばさんに自慢して



るのよ～。



わかったわね、近いうち必ず帰ってくるのよ」




電話は切れた。




未奈は速くなっていく動悸に胸を押さえる。



ーーーーチェストに安定剤がある。



引き出しを引き薬を取り出し口に放り込んだ。




水も無しにゴクリと飲み込む。



そして、ソファーに座るとスマホであるサイトにログ



インした。



『紳士と淑女の華麗な出逢い』




ーーーー要は、パパ活サイトだ。