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あんなこんなエロ短編集
第30章 シラナイカオ

あれは大学受験が迫る秋。
未奈は一流と呼ばれる大学を目指していた。
元々勉強しなくても成績が良かったため、
少し頑張れば呆気なく受かると担任からも太鼓判
を押されていた。
部屋で勉強していたある夜。
カチャリとノブが回った。
母が夜食を持ってきたのだと思った未奈は、
「テーブルに置いといてー」と返した。
しかし返事がない。
後ろを振り返ると、
少し太った兄がいた。
鳥の目のようなおかしな瞳。
未奈は危険を察知した。
「な、何よっ?!」
兄の手にはナイフがある。
椅子から転げ落ちた。
兄がのしかかってくる。
「は…………、離して!」
涙を溜め言うと、兄は未奈の顔にナイフをピタリと
つけ「何で」と呟いた。
「は?…………」
「何故、お前だけなんだよ……………」
未奈は兄の瞳に暗い歪みを見た。
兄は私に嫉妬してたんだーーーーー
気付かなかった。
いや、気づくほど近くにいなかった。
物理的ではなく気持ちの面で。
自分のことに夢中で兄のことなど考えたこともない。
未奈は一流と呼ばれる大学を目指していた。
元々勉強しなくても成績が良かったため、
少し頑張れば呆気なく受かると担任からも太鼓判
を押されていた。
部屋で勉強していたある夜。
カチャリとノブが回った。
母が夜食を持ってきたのだと思った未奈は、
「テーブルに置いといてー」と返した。
しかし返事がない。
後ろを振り返ると、
少し太った兄がいた。
鳥の目のようなおかしな瞳。
未奈は危険を察知した。
「な、何よっ?!」
兄の手にはナイフがある。
椅子から転げ落ちた。
兄がのしかかってくる。
「は…………、離して!」
涙を溜め言うと、兄は未奈の顔にナイフをピタリと
つけ「何で」と呟いた。
「は?…………」
「何故、お前だけなんだよ……………」
未奈は兄の瞳に暗い歪みを見た。
兄は私に嫉妬してたんだーーーーー
気付かなかった。
いや、気づくほど近くにいなかった。
物理的ではなく気持ちの面で。
自分のことに夢中で兄のことなど考えたこともない。

