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あんなこんなエロ短編集
第31章 わたしは女優

美華(みか)は口角を上げ真向かいの男に頬笑む。
『知ってたわよ。全て知ってた。
その上で知らんぷりしていたのよ』
男は衝撃を受ける。
そして項垂れた。
2人が座っているテーブルの横にあるキッチン。
その壁に掛けてある時計の針の音がどことなく白々
しく聞こえた。
悄気た男は『済まなかった…………これからは家庭を
第一にする。君と子供のためにあの子とは別れるよ』
と呟く。
美華が立ち上る。
キッチンに向かい、流しで手を洗う。
『そう?優しいのね、あなたは』
その台詞に男は安堵し『いやぁ、そんなことないさ』
と頭を掻く。掻きながら目を見開いた。
妻が、包丁を持ちこちらに来る。
『あっあっあ…………やめてくれ!』
『あなたの優しさはね、自分にのみ優しいのよ。
私は……………許さない!!』
「ストップ!はい、OK~」
監督が言い手を叩いた。
スタッフたちの緊迫感がほどける。
「美華ちゃん、凄みが板についてきたね~。
10分休憩にしよう!」
振り返りスタッフに叫んだ。
『知ってたわよ。全て知ってた。
その上で知らんぷりしていたのよ』
男は衝撃を受ける。
そして項垂れた。
2人が座っているテーブルの横にあるキッチン。
その壁に掛けてある時計の針の音がどことなく白々
しく聞こえた。
悄気た男は『済まなかった…………これからは家庭を
第一にする。君と子供のためにあの子とは別れるよ』
と呟く。
美華が立ち上る。
キッチンに向かい、流しで手を洗う。
『そう?優しいのね、あなたは』
その台詞に男は安堵し『いやぁ、そんなことないさ』
と頭を掻く。掻きながら目を見開いた。
妻が、包丁を持ちこちらに来る。
『あっあっあ…………やめてくれ!』
『あなたの優しさはね、自分にのみ優しいのよ。
私は……………許さない!!』
「ストップ!はい、OK~」
監督が言い手を叩いた。
スタッフたちの緊迫感がほどける。
「美華ちゃん、凄みが板についてきたね~。
10分休憩にしよう!」
振り返りスタッフに叫んだ。

