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第31章 わたしは女優

美しさから冷たい美人役が多かった。



芸能人はイメージ商売だ。



冷たい美人役だときつい性格だと思われ、



ある雑誌の『嫌いな女優アンケート』で常に上位と



なった。




マネージャーが考え抜き、



バラエティーに出演するようにした。



小さな頃から美人だったため話さなくても人が



寄ってきて持ち上げてくれた。



それ故、バラエティーでの表現方法が下手だった。



困ったなと思っていたらある時有名芸人が「篠さん



めっちゃ天然やん！オモロいわ～」と大爆笑したの




である。




以降無知を天然ボケと偽り笑いながら馬鹿な話をした。




世間は単純だ。



それだけで『嫌いな女優』から『好きな女優』上位に



切り替わった。



大河ドラマにも端役だが重要なポジションで出演し、



32歳の時一般人の男性と結婚もした。



順風満帆と言えるだろう。




34歳の現在も美貌は変わらず。



かといって全面的に押し出すような美ではない。



慎ましやかな、淑やかな美しさだ。



年齢を重ねたぶん憂いを含み、一層際立っていた。