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あんなこんなエロ短編集
第31章 わたしは女優
「……………僕は」



夫が口を開く。



静まり返った部屋で夫の低い声が冴えて響いた。



「僕は、君と結婚した時嬉しかった。



君みたいな綺麗な女優さんと付き合えるだけでも



奇跡なのに、まさか結婚できるなんて思ってなかった







だからこの先何があっても君を優先しよう。



君の仕事を優先させよう。



僕は仕事をし家事をしそれでいい、



そう思ってた。



けど君は……………僕が家事をしている夜こうやって



セックスしてたんだね」



ふと美華の脳内にフラッシュバックが起きた。



どこかで…………こんな場面があったような……………………




夫は息を荒くし、



「僕が家事をしている間こいつと会ってたのか!!」



ハサミを掴むと美華に突進してきた。



左下腹に熱さが広がる。



刺されたのだと思った。



「僕は……………知らんぷりなんてできない!!!」



右の腹にも熱が広がった。



肉を切り裂く音。



以外にも鈍痛で、ただ熱いだけだ。



膝から崩れ落ちる。




そうドラマならここで佐竹が来る。



乗り込んで来る。



傷を負った妻のもとに、




もうすぐ……………来る……………………












朦朧とする意識の中、




夫がただ善良なだけではないと気づいた。






















<終わり>






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