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あんなこんなエロ短編集
第33章 マタ逢イマショウ
「夢乃?


ゆーめのっ」


突然声が耳に入り夢乃は瞬きを繰り返した。


「ゆーはいつもぼ~っとしてるからなぁ」


低く野太い声が夢乃をからかう。


(誰?テーブルを挟んで………


男と女………)


周りはがやがやと騒がしい。


夢乃は左右を見、


「ーーー学食」と呆気に取られた。


「どした?

体調悪いのぉ?」


向かいの女の手が夢乃の額を触る。


「熱はないよねぇ。


まぁこれだけ食べてるんだし。


食べ過ぎ??」


マッシュルームのようなショートカット。痩身で


切れ長の目の女…………モデルのようだ。


「……きい。


樹伊だわ」


(樹伊だ。入学した時直ぐに仲良くなった)


「はあ??


あんたどうしたの??ホントにどこか悪いんじゃ」


「まぁまぁきい。


こいつがぼ~っとしてんのは昔からだからさ。


おかしくはないよ」


腕を組み苦笑する、


肩幅が広く短い髪の男は…………


「……総(そう)。そうよ!」


「な?一人納得してやんの」


総は樹伊に向かって肩を竦めた。


総は高校の時からの彼氏だ。


この大学を目指し必死に勉強して、


見事受かって郷里を出て。


「まぁね。


総は夢のことずっと知ってるからさぁ。


私は夢みたいなぽわんとした子珍しいから時々


心臓止まるかと思っちゃう」


「きいはつんつんし過ぎて女友達少ないからだろ?」


「否定はしないわ」


「………二人、仲良いのねぇ……」


夢乃が呟くとお腹がぐうう~っと鳴った。



二人は顔を見合せたあと大爆笑する。


「まだ食うのかよ!!


どんだけ胃袋あんだよ、ゆーは」


「ホント!こんな細くて小さいのに(笑)


パスタとオムライスとカレーライス食べたとこじゃ


ん!あんた恵まれてるよね~」


爆笑する二人を眺め、


夢乃は混乱した。


(え?


中退してヒッキーになったのに。


食欲もなくて。


あれ?なんで?


あっ………私ニット着てる!!)


自分の腕を見、首元を触るとタートルネックの


ニットを着ていた。


二人を見ても周りを見ても、


皆冬服だった。


(私は一体……………


これは何??どうなってるの?)












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