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あんなこんなエロ短編集
第33章 マタ逢イマショウ
年配者が割れた鏡を目の前に差し出した。


「………………え?…………」


映っているのは老婆だった。


肌はシワだらけ、


眉毛と髪は白髪だ。


髪は緩く一つに結っていた。


夢乃は瞬きした。


理解が追い付かない。


「何、誰……?これ……」


若者を見ると



「錯乱か。


ムリねーよな、


さっきの空爆でかなり揺れたし」


とため息を吐いている。



「あの…………………、」


言葉が続かない。


が、『あの』と喋ったのは鏡に映る自分ーーー即ち


老婆の口だ。


よろめきながら立つ。


その時、


着物の胸元からヒラリと何かが落ちた。


「あー、婆さんちゃんと持っときな。


戦死した旦那さんと一緒に撮った写真はこれだけって


言ってただろう」


年配者が気の毒そうな表情を向け、


紙を拾い夢乃に手渡す。



「え……………………」



ぼろぼろに綻びた一枚の写真。


家族写真のようだ。


夢乃は微笑み赤ん坊を抱え椅子に座っている。


隣に立つ背の高い青年…………


「…………総、って人だわ……………」


混乱した。


写真は何故か白黒だった。


「…………ま、


こんな時代だからさ。


生き残ってるのきっと俺らくらいだし。


写真があるだけでも良しと」



「何!?何を言ってるの!!?


わからないわ!!


ここはどこなの?何故私はしわくちゃのお婆さんなの


!!?


何が、どれが正解なのよっ!!!!!」



夢乃は写真を投げ頭をかきむしった。



























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