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あんなこんなエロ短編集
第12章 カノジョのカレ

飽きた。
わたしは席に着き、
谷崎潤一郎の『痴人の愛』の続きを読み始
めた。いつものことだ。
小学校の頃から、見知らぬ男子に好意を寄せら
れてきた。
直接告白されたり、
友達伝いに聞いたり、
待ち伏せされたりと日常茶飯事だった。
当然のように女子からは反感を買い、
疎外されたこともあった。
明らかなイジメはなく友達は少数いた。
これは、いつも分け隔てない
タイプの女子で。
すると遠目に嫉妬していた子たちが『へぇ、
意外といいヒトなんじゃん?』
と見方を変えることもあった。
「けほっ……」
喉が痛い。
揃いも揃って人間てやつは単純だ。
容姿が抜きん出て美しいと特別扱いする。
良いようにも、悪いようにもだ。
勝手にイメージを作り上げて好きになり、
勝手にオナニーする。
皆強迫観念のように、
適当な好意を恋愛と名付ける。
そして交際しセックスをする。
そんな事ばかりで飽きてしまう。
ーーーーー小説の登場人物たちのように、
もっと思慮深く洞察しないのか。
慣れたが、たまにそう思う。
わたしは席に着き、
谷崎潤一郎の『痴人の愛』の続きを読み始
めた。いつものことだ。
小学校の頃から、見知らぬ男子に好意を寄せら
れてきた。
直接告白されたり、
友達伝いに聞いたり、
待ち伏せされたりと日常茶飯事だった。
当然のように女子からは反感を買い、
疎外されたこともあった。
明らかなイジメはなく友達は少数いた。
これは、いつも分け隔てない
タイプの女子で。
すると遠目に嫉妬していた子たちが『へぇ、
意外といいヒトなんじゃん?』
と見方を変えることもあった。
「けほっ……」
喉が痛い。
揃いも揃って人間てやつは単純だ。
容姿が抜きん出て美しいと特別扱いする。
良いようにも、悪いようにもだ。
勝手にイメージを作り上げて好きになり、
勝手にオナニーする。
皆強迫観念のように、
適当な好意を恋愛と名付ける。
そして交際しセックスをする。
そんな事ばかりで飽きてしまう。
ーーーーー小説の登場人物たちのように、
もっと思慮深く洞察しないのか。
慣れたが、たまにそう思う。

