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あんなこんなエロ短編集
第12章 カノジョのカレ

締め上げたヒトは幸い佐倉葉を知っていて、
呼んできた。
佐倉葉は長い脚を持て余すように歩きながら
「あー、あの時の」
まりえを見て思い出したようだ。
「学生証、忘れてましたよ」
「へー。そうなん………」
まりえは差し出した定期入れをぱっと引いた。
「何だよ」
「質問その1。
高橋くんの弟なのに何故佐倉なんですか?
質問その2。
学生証を紛失した間、困る事はなかったの
ですか?
つまりは何故探しに来なかったんでしょう?」
「不躾だなー。
あのロングヘアの子みたいに『カッコいい』とか
言えないのかな」
「質問に答えないなら、
返さない」
佐倉葉はフーッと息を吐き出し、
「………高橋は適当に言った。
高橋なら沢山いるだろうから。2年D組は当てずっ
ぽう。学生証はたまに無くすから、俺は。
拾った誰かが届けてくれるだろうし、
そんな困らないよ」
ーーーーー場所を移動して話すことにした。
近くのコーヒーショップ。
テーブルスペースに座っていた。
校門付近にいたのだが、
校舎からも羽虫のように男子が寄ってきて
居られなくなったのだ。
「何で嫌われてんの、俺」
コーヒーを飲み、佐倉葉はせせら笑うように尋
ねてくる。
この表情(かお)だ。
呼んできた。
佐倉葉は長い脚を持て余すように歩きながら
「あー、あの時の」
まりえを見て思い出したようだ。
「学生証、忘れてましたよ」
「へー。そうなん………」
まりえは差し出した定期入れをぱっと引いた。
「何だよ」
「質問その1。
高橋くんの弟なのに何故佐倉なんですか?
質問その2。
学生証を紛失した間、困る事はなかったの
ですか?
つまりは何故探しに来なかったんでしょう?」
「不躾だなー。
あのロングヘアの子みたいに『カッコいい』とか
言えないのかな」
「質問に答えないなら、
返さない」
佐倉葉はフーッと息を吐き出し、
「………高橋は適当に言った。
高橋なら沢山いるだろうから。2年D組は当てずっ
ぽう。学生証はたまに無くすから、俺は。
拾った誰かが届けてくれるだろうし、
そんな困らないよ」
ーーーーー場所を移動して話すことにした。
近くのコーヒーショップ。
テーブルスペースに座っていた。
校門付近にいたのだが、
校舎からも羽虫のように男子が寄ってきて
居られなくなったのだ。
「何で嫌われてんの、俺」
コーヒーを飲み、佐倉葉はせせら笑うように尋
ねてくる。
この表情(かお)だ。

