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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第8章 スコーピオの女 情欲の章
――三年前、組の抗争で組長が刺されそうになった時、柏木が身を挺しその刃を腹に受けた。その時の傷が元で、勃起不全に至っているようだった。

「じゃあ……。リカの腹の子は……。おいっ! リカを呼んで来い!」

 慌ただしく手下たちはリカを呼びに、座敷を飛び出していった。

 僕は修羅場がいったん落ち着いたので、木刀を飾り棚に返して座り込んだ。

 柏木は麻耶に優しく服を着せてやっている。仲睦まじい様子はつがいの小鳥のようだ。妖艶なバンプそのものの麻耶が、まるで清純な少女のような様子に僕は驚いていた。

 しばらくするとガタガタとリカがやってきて、襖を乱暴に開けた。

「パパ~? こらしめてやってくれたあ?」

 のん気そうに言う彼女に組長は静かに「そこへ座れ」と指示する。
 リカはドカッと胡坐をかいて座った。

「リカ。おめえの腹の子は誰だ」

 彼女はかっと目を見開き顔色を変えると、落ち着きなく目を泳がせた。

「そ、そんなの、決まってるじゃん」

 見えない強いプレッシャーに耐えきれなくなったのは、黒いスーツを着た三人組の中の一番小柄な男だった。

「すみませんっ! オヤジ! スミマセンっ」

 頭をこすりつけるように土下座をし男は謝り続けた。

「りゅうのじ。てめえが」

 かっとなった組長が木刀を振りかざす。そこへ柏木が男の身体の上に覆いかぶさり、重い木刀の一撃を肩に受けた。

「ぐっ、うぅ」

「柏木!」

「あにいっ!」

「へ、平気だ」

 平気ではないだろう。恐らく脱臼はしたはずだ。

「柏木さん!」

 麻耶が駆け寄る。
「全くなにがどうなってやがんだ! リカ! おめえが全部話せ」

 リカはしぶしぶダルそうな口を開き、話し出した。
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