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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第10章 カプリコーンの女 伝統の章
 奥の部屋も相変わらずカラフルな色合いだが、少し落ち着いていて深みのある真紅と紫とピンク、そしてゴールドが散りばめられている。
壁にはやはり歓喜天の絵が飾られている。

 診療所のほうの歓喜天は一体の象の姿をした神が描かれていたが、こちらは二体の立位で交わっている姿だ。

 以前、若菜とこの体位で愛し合ったことを、ふっと思い出して見つめていると「ここにかけて」と寛美から声がかかった。

「僕たちはここでセックスするんですか?」
「ふふ。セックスって何かしらね。今お互いに欲情はしていないでしょ?」

「え、まあ、すみません」

「いいのよ。若い男ならいざ知らず。私もそういう誘いをしているわけじゃないし。
まあ、ここでがっつくような男ならこの寝室まで入らせることはありません。
でも、あなたが私に心惹かれていなくてもセックスになると思うわ」

「あ、あの。男の僕はいいのかもしれませんが……」

「女の貞操でも気にしてらっしゃるの? 快楽は男だけのものじゃないのはわかるでしょ?
私には、私の一族には一般的な貞操観念はないのよ。
――実はね。今日誕生日なの。あなたがきっと私に素晴らしい快感を与えてくれるはずだわ」

――山羊座の女性か。
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