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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第10章 カプリコーンの女 伝統の章
 本来、生真面目で保守的な星座だろうに、どうして初めてあった男とこういう行為に至れるのか、まだ僕には納得できなかった。

「一族と言われましたね。ご家族もこのようなことを?」

「ええ。それぞれ求道するものは違いますが。両親は中国の房中術を極めていますの。
一族は世界各国のありとあらゆる性の奥義を極めていくのです。
そして正しい人に正しく伝えて導くのよ」
 
 彼女の説明で、僕は山羊座の伝統継承を大事にする性質を思い出し、納得した。
セックスというものが寛美の一族にとって、快楽と種族保存以上の継承されるべき技でありスピリチュアルなものなのだ。

 甘い花の香りが強くなってくる。

「さあ、おしゃべりはほどほどにしましょう。あなたの身体を見せてもらうわね」
「え、ええ」

 ジャケットを脱ごうとすると、寛美の手がスッと忍び寄り、両胸をさすりながらジャケットの肩を外しするっと取り上げた。

「服を脱ぐところからレッスンは始まるのよ。女性に魅せる脱ぎ方をしなきゃ」

「は、はあ」

 ネクタイをどうほどけばいいのだろうかと考えていると、寛美が脱ぎ始めたので見ることにした。

 ゆるゆると長い布が、寛美のしなやかな身体を伝い、すべってシーツに落ちていく。
シュルシュルと衣擦れの音がし、甘い香りが強くなってくる。――着物の帯のようだ。

「ふふ。昔の時代劇でお代官様が帯を解くみたいでしょ」

 この白く長い一枚の布でできた衣装はサリーと呼ばれるものだ。

「長いですね」
「五メートル位のものもあるけれど、これは十二メートルあるの」

 衣擦れと甘い香りと、白いシルクの布地の隙間から見える、滑らかなミルクチョコレートのような肌が僕を刺激する。
彼女の所作に見惚れながら、ゆっくりとネクタイを外しシャツの前をはだけた。

 しなやかな寛美の手が布を絡めとり、少しずつ肌を露出させていく。
螺旋を描く動きを上から下、下から上へと目で動きを追った。
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