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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第10章 カプリコーンの女 伝統の章
ぼんやり天井を眺めている僕に、すでに着衣した寛美が薫り高いマサラチャイを持ってきた。
「ああ。ありがとうございます」
ふらつきながら身体を起こし、ステンレスのマグカップを受け取った。
「大丈夫?」
寛美が優しく目の奥を覗き込む。
「なんだか身体がふわふわするような。夢の中の様な変な感じですね」
「もう少ししたら戻ると思うわ。さっき私たちどこまでイケたと思う?」
「どこまで?」
こくりと頷きながら寛美は続けた。
「宇宙まで飛んだのよ」
「えっ」
驚いてカップを落としそうになるのを、さっと左手で受け止めた。
「残念ながら身体ごとじゃないけどね。意識だけ一緒に飛んだの」
先ほど見えた星々は幻覚ではなかったのだろうか。なんとも実感が得にくい話ではあるが虚実ではない気がする。
「一度だけの体験だとすぐ忘れてしまうでしょうけど、緋月さんはなかなかいい線いってるわよ」
「そ、そうですか」
「あなたの専門は西洋占星術なのが残念。インド占星術なら私のパートナーにと思えるんだけどね」
寛美の一族は性愛の奥義を追及する一族で、一か所にどどまることはなかったが、旅をしながら魂の伴侶も探しているらしい。
こういった一族は他にも世界に何組かいるらしく、歴史をさかのぼると権力闘争に巻き込まれることも多々あり、またこの技術によって、権力や巨万の富を得るものも数多くいた様だ。
時代が時代なら、寛美は一国の主の寵姫となることもあっただろう。しかし一族は個人的な小さい規模の高みを目指すことをやめ、性愛を通して地球や人々の意識を引き上げることに重きを置き始めているらしい。
「すごかったです。これはセックスなんだろうかと思うくらい」
チャイを飲んでしまうと身体が人心地ついたようで落ち着き始めていた。寛美が僕の手首を触り脈を診る。
「うん。大丈夫ね。さっきのは確かにセックスだけど違うのは二人で高め合う儀式だったということ。
快感以上の快感が一人のものではなくて二人で引き上げられることが分かってもらえたらいいのよ」
「うーん。なんだか難しいですね。消化するのに時間がかかりそうだ」
「これから何となくだけど、人生がまた変わりそうな出会いがあるかもしれないわ。
今日の事が少しでもお役に立てるといいけれど」
「人生が……か」
「ああ。ありがとうございます」
ふらつきながら身体を起こし、ステンレスのマグカップを受け取った。
「大丈夫?」
寛美が優しく目の奥を覗き込む。
「なんだか身体がふわふわするような。夢の中の様な変な感じですね」
「もう少ししたら戻ると思うわ。さっき私たちどこまでイケたと思う?」
「どこまで?」
こくりと頷きながら寛美は続けた。
「宇宙まで飛んだのよ」
「えっ」
驚いてカップを落としそうになるのを、さっと左手で受け止めた。
「残念ながら身体ごとじゃないけどね。意識だけ一緒に飛んだの」
先ほど見えた星々は幻覚ではなかったのだろうか。なんとも実感が得にくい話ではあるが虚実ではない気がする。
「一度だけの体験だとすぐ忘れてしまうでしょうけど、緋月さんはなかなかいい線いってるわよ」
「そ、そうですか」
「あなたの専門は西洋占星術なのが残念。インド占星術なら私のパートナーにと思えるんだけどね」
寛美の一族は性愛の奥義を追及する一族で、一か所にどどまることはなかったが、旅をしながら魂の伴侶も探しているらしい。
こういった一族は他にも世界に何組かいるらしく、歴史をさかのぼると権力闘争に巻き込まれることも多々あり、またこの技術によって、権力や巨万の富を得るものも数多くいた様だ。
時代が時代なら、寛美は一国の主の寵姫となることもあっただろう。しかし一族は個人的な小さい規模の高みを目指すことをやめ、性愛を通して地球や人々の意識を引き上げることに重きを置き始めているらしい。
「すごかったです。これはセックスなんだろうかと思うくらい」
チャイを飲んでしまうと身体が人心地ついたようで落ち着き始めていた。寛美が僕の手首を触り脈を診る。
「うん。大丈夫ね。さっきのは確かにセックスだけど違うのは二人で高め合う儀式だったということ。
快感以上の快感が一人のものではなくて二人で引き上げられることが分かってもらえたらいいのよ」
「うーん。なんだか難しいですね。消化するのに時間がかかりそうだ」
「これから何となくだけど、人生がまた変わりそうな出会いがあるかもしれないわ。
今日の事が少しでもお役に立てるといいけれど」
「人生が……か」