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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第11章 アクエリアスの女 変革の章
「ローション使わせて」

 コートのポケットから潤滑ゼリーを取り出した。

「そんなに無理しなくても……」

 と、言いかけた僕に「あなたが辛いといけないから」と言いながらトモはボトムを脱いだ。

 困惑している僕の視界に、さらに追い打ちをかけるものが目に入る。

「そ、それは……」

「ボクは半陰陽なんだ」

 小ぶりだがトモにはペニスが付いている。やっと全てに合点がいった。

「そうだったのか」

「生まれたときはここまで発達してなかったし、卵巣があるから女だよ。でもボクは好きになるのは女の人ばっかりだった。
今まで好きになった女の人は、レズビアンの人がほとんどだったけどやっぱりコレが嫌いな人が多くてさ。
興味本位で抱かせてはくれるけど……ボクの外見ばかりがみんな気になるみたいだ」

 トモは自分の中ではこの状態に折り合いがついているらしく、苦痛を感じるほど思い悩むことはなかったようだ。
 諦めなのか達観なのか。まだ二十歳のトモは若くもあり、老いた隠者のようでもある。

「若菜さんはボクを全部持ってるって言ってくれた人なんだ。それまでは自分の事をどっちでもなくて、どっちにもなれない不完全な奴だって思ってた」

 若菜らしい偏見のない率直なモノの見方や考察は、哲学的でもあるし深い愛ゆえに受容にも思える。

「天使は無性なんだ。悪魔は両性具有。君は天使で悪魔だね。全てを持ってるんだ」

 トモを眺めると両方の性があっても違和感なく、自然でなおかつ美しかった。
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