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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第12章 ピスケスの女 奉仕の章
 桃香と一緒にスーパーで買い物をしていると、柏木麻耶にばったり会った。

「あら、ほしき! お久しぶり」
「やあ」

「ん? そちらの可愛い人は?」
「あ、ああ。同じ占い師の魚女桃香さんだよ」
「は、はじめまして」

「ああ。もしかしてタロットの? 今評判よねー。でも残念。占ってもらうことがないなあ」

 幸せそうに目を細める麻耶は、相変わらず色気があるが健康的だ。

「付き合ってるの?」

 ニヤッと野次馬のように聞いてくる。

「そんなんじゃないよ。親子みたいなもんさ」
「えっ。親子だなんて」
「ふーん」

 桃香は慌ててかごを持って「お会計してきます」とレジに向かって行った。

 後姿を見ていると、麻耶が先ほどと違いクールな表情で静かに告げてくる。

「あの娘。なんか気を付けたほうがいいよ」
「え? どこが? いいこだよ」

「んんー。なんか匂う」
「なんだよ。信頼置ける人のお弟子さんだから大丈夫だよ」

「そお? なら、いいか」
「麻耶こそ加減しろよ?」

 買い物かごに、大量に入ったニンニクとにらを見て僕は笑った。

「あらっ。あはは。ほらっ主人たら肉体労働だから、じゃあねえ」

 そそくさと立ち去る麻耶は足取りが軽そうだ。しかし麻耶の言葉が引っかかる。――あいつの勘はするどいからなあ。

 少し気になりながら、買い物を袋に詰めている桃香のもとへ向かった。
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