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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第12章 ピスケスの女 奉仕の章
 濃厚な蜜の味が口いっぱいに広がり、肉厚な唇と舌が僕の内部を、のたうち回りながら侵食していく。

「いきなりじゃありません。ずっと準備してました。緋月さんがあたしと一緒になってくれる時を」
「お茶に何かいれていたのか……」

「中毒性はありません。あたしが調合した媚薬です」
「媚薬……」

 桃香はふふっと笑みを浮かべ、小さな白い手で僕の両頬を撫で「美味しいでしょう?」と囁く。


 なんだか視界がぼんやりとしてくる。思考はまだしっかりしていて身体の感覚はあるのだが夢の中のようだ。


「何が狙いなんだ」

「あたしね。過去性の記憶があるんです。いつの時代もあたしは女でやっぱり占いだとかまじないだとかしてました。
でもいつもいつも裏切られたの」

 桃香は魔女裁判やら巫女の人身御供の話などを、僕に詳しく話して聞かせる。
この話が真実なのか、それとも多感だった霊感少女の妄想なのかはどちらでもいい。
 大事なのは彼女が自分の能力によって、他人の犠牲になってきたと思っていることだ。

「今は女の時代だって小百合先生も言ってた。男に踏みにじられてきた時代はも終わったって。
ねえ、緋月さんユートピアを作りましょう。新しい時代には新しい時代の教えが必要だと思うの」

「女性の時代なら男の僕はいらないじゃないか」

「緋月さんは女にとって特別。あたし知ってるのよ。あなたのセックス鑑定を受けた人たちが成功したり、幸福に導かれたりしてるのを。
覚えてる? 一洋真帆さん。彼女は目覚ましい活躍で今やカリスマインストラクターなのよ」

「一洋さんの実力だよ。僕は関係ない」

「いいえ。ほかにも社会的に高く評価された人もいるし、望んだ生活を手に入れて幸福の絶頂の人もいる。その人たちはみんな緋月さんに関係した人よ」

「たまたまだ」

「あたしにはわかる。あなたと寝ると運気が上がるみたい。男の人でもそういう人がいることに感心しちゃう」

 恐らく『アゲマン』のことを言っているのだろう。桃香は僕の胸をはだけ唇を押当てる。
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