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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第12章 ピスケスの女 奉仕の章
「何をさせようっていうんだ」
「『セックス鑑定』」
「ばかな!」
「緋月さんには『巫女』になってもらうの。信者の女性に、あなたの持っているものを捧げる役目よ」
桃香は男女逆転の社会を作り上げたいのだろうか。女性が強くなってきたとはいえ、まだまだ複雑な思いを抱いていることは理解しているつもりだ。
「桃香、間違ってるよ。それじゃ男のやり方をまた繰り返すだけだ」
僕は力を振り絞って話した。
「今、女性の時代と小百合先生がおっしゃたのは、男に取って代われという意味ではないと思うよ。
女性の――感性、自然に、命に呼応したリズムを社会に生かそうということなんだよ。
男を打ち負かしたい気持ちはあるだろうけど、それは、きっと望む世界にはならないと思う。
まだまだ過渡期だけど、いつか対等に手を取り合えると思うんだ。開かれた心と体で楽園のアダムとイブのように」
「あたし……」
僕の話が、桃香の心に届いているだろうか。
「女性の素晴らしさは社会に少しずつ届いてきている。男の中にも、戦うことに嫌気がさして、安らかに静かに愛する人と人生を送りたいと願う人が増えてきたよ。
桃香。
聞いてくれ。
君の園女小百合先生からもらった『女』の文字は彼女の願いだよ。
真の女であって欲しいと言う。
僕には紅月蘭子先生が『月』の文字をくれた。暗い道を照らすようにと。
だけど太陽じゃない」
一気に話し喉が渇き、お茶に手を伸ばした。
「入れなおします」
さっとカップを奪い、桃香は僕から離れた。
「『セックス鑑定』」
「ばかな!」
「緋月さんには『巫女』になってもらうの。信者の女性に、あなたの持っているものを捧げる役目よ」
桃香は男女逆転の社会を作り上げたいのだろうか。女性が強くなってきたとはいえ、まだまだ複雑な思いを抱いていることは理解しているつもりだ。
「桃香、間違ってるよ。それじゃ男のやり方をまた繰り返すだけだ」
僕は力を振り絞って話した。
「今、女性の時代と小百合先生がおっしゃたのは、男に取って代われという意味ではないと思うよ。
女性の――感性、自然に、命に呼応したリズムを社会に生かそうということなんだよ。
男を打ち負かしたい気持ちはあるだろうけど、それは、きっと望む世界にはならないと思う。
まだまだ過渡期だけど、いつか対等に手を取り合えると思うんだ。開かれた心と体で楽園のアダムとイブのように」
「あたし……」
僕の話が、桃香の心に届いているだろうか。
「女性の素晴らしさは社会に少しずつ届いてきている。男の中にも、戦うことに嫌気がさして、安らかに静かに愛する人と人生を送りたいと願う人が増えてきたよ。
桃香。
聞いてくれ。
君の園女小百合先生からもらった『女』の文字は彼女の願いだよ。
真の女であって欲しいと言う。
僕には紅月蘭子先生が『月』の文字をくれた。暗い道を照らすようにと。
だけど太陽じゃない」
一気に話し喉が渇き、お茶に手を伸ばした。
「入れなおします」
さっとカップを奪い、桃香は僕から離れた。