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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第12章 ピスケスの女 奉仕の章
コトリと、入れなおされた紅茶が差し出された。
「普通の紅茶です」
「ありがとう」
普通の紅茶だ。それでもやはり美味しいと思った。
桃香は落ち着きを取り戻して静かに腰かけている。元気がない様子に、僕が彼女の野心を奪ってしまったことの後ろめたさが、少しだけ沸いた。
「ごめんね。桃香を否定するつもりはないんだ。君はすばらしいよ。
だけど今までの歴史に負けないで、今の君として幸せに生きて行ってほしいんだ」
「緋月さん……」
混乱しているのかもしれない。途方に暮れているのかもしれない。
だが僕は急かさずに静かに見守ることにした。
二杯目の紅茶を飲み干すと、桃香はゆっくり話し始めた。
「男と女が対等になれることを、どうすれば実感できるかしら。
恋愛ですら不等号だと思う。もちろんセックスだって」
「僕も最近になってやっと見え始めてきたからね。君はまだ若い。これからだよ」
「あたしと緋月さんは対等になれると思いますか?」
「なれるとおもうよ」
「経験年数とか全然ちがうけど……」
「まあ、それはしょうがない。だけど心は――長いスパンで見れば魂はきっと対等だよ」
桃香は立ち上がった。ふわっと甘い香りが漂う。
僕に再度近づいて手を取り、自分の頬にあてた。
「知りたい。片鱗でもいいから」
「――あっちへ行こう」
「普通の紅茶です」
「ありがとう」
普通の紅茶だ。それでもやはり美味しいと思った。
桃香は落ち着きを取り戻して静かに腰かけている。元気がない様子に、僕が彼女の野心を奪ってしまったことの後ろめたさが、少しだけ沸いた。
「ごめんね。桃香を否定するつもりはないんだ。君はすばらしいよ。
だけど今までの歴史に負けないで、今の君として幸せに生きて行ってほしいんだ」
「緋月さん……」
混乱しているのかもしれない。途方に暮れているのかもしれない。
だが僕は急かさずに静かに見守ることにした。
二杯目の紅茶を飲み干すと、桃香はゆっくり話し始めた。
「男と女が対等になれることを、どうすれば実感できるかしら。
恋愛ですら不等号だと思う。もちろんセックスだって」
「僕も最近になってやっと見え始めてきたからね。君はまだ若い。これからだよ」
「あたしと緋月さんは対等になれると思いますか?」
「なれるとおもうよ」
「経験年数とか全然ちがうけど……」
「まあ、それはしょうがない。だけど心は――長いスパンで見れば魂はきっと対等だよ」
桃香は立ち上がった。ふわっと甘い香りが漂う。
僕に再度近づいて手を取り、自分の頬にあてた。
「知りたい。片鱗でもいいから」
「――あっちへ行こう」