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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第2章 アルデバランの女 食欲の章
 約束の時間から十五分ほど遅れて牛島裕美子がやってきた。鑑定室に案内して話を聞く。

 彼女は少し丸顔で全体的に肉付きが良い。肩にかかるかどうかのボブヘアーもゆるいパーマがかかっており、一層柔らかい雰囲気を強調している。
黒目がちな丸っこい目と厚みのあるおちょぼ口が印象的だ。
 有閑マダムと言った風体で、身に着けているものは高級なものばかりだ。ゆっくりとした物腰で座り「遅れてしまってすみません」と謝った。

「いえ。ちょっとわかりにくい場所ですしね」

 緊張しているだろうが、おっとりとした態度で裕美子は話し始める。

「ご相談と言うのは夫とのセックスの事なんです。結婚してもう三年になるんですが全然良くないんです。
感じないわけじゃないんですけど」
「うーん。頻度はどんなものですか?お子さんはまだ?」
「結婚して一年間は週に三、四回あたりですけど、このところ週に一回まで減ってます。
子供はまだです。夫には内緒ですけど、もっと楽しみたくてこっそりピル飲んでるんですよね」
「なるほど。快感が少ないというわけですか。一回の行為で時間はどれくらいかけてます?」
「そうですねえ。一時間は切ってると思うから、四十分くらいかしら」

 こちらの聞き辛い質問に素直に答える裕美子に、育ちの良さを感じながら彼女と夫の生年月日を聞き、ホロスコープを作成し解説を始めることにした。

「うーん。ご主人との相性はなかなかいいですよ。身体も勿論」
「確かに今までお付き合いした人の中では一番いいとは思うんですけど……。
あたくしが悪いのかしら」

「まあ牛島さんがとても性欲が強いというわけでもないですよ。浮気がしたいわけでもないんでしょう?」
「ええ、もちろんです。あたくしは主人ともっと感じ合いたいんです」

 彼女は貞淑な女性で好感が持てた。
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