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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第2章 アルデバランの女 食欲の章
「ご主人、もっと奥さんにキスしてあげてください。んー。そうだな、口移しで何か一緒に飲んだり食べたりしてもいいかな」

「ほお、なるほど。確か言われてたな」

 俊之はベッドから降りて、黒のセカンドバッグからミルクキャラメルの箱を取り出し、一粒口に含みまたベッドに戻った。

 口の中でとろけて柔らかくなったキャラメルを裕美子に口移しで与える。二人の口唇で溶けてなくなるまでキャラメルの交換がなされた。

「あ、あなた……美味しい」

 裕美子はうっとりとした表情で唇を舐めまわし濡らす。てらてらした唇はまるで陰唇を思わせるように男を誘う。
 僕はその様子にドキリとしてしまい、思わず目を逸らしてしまった。

 俊之はいつもよりも何か違うものを感じるのか目の色が変わり始め、裕美子の唇を貪った。振りでよかったはずの行為が本番へと移行されてしまう。
全く予感がなかったわけではないが、あのキャラメル一粒がこうも二人に火をつけてしまうとは想定外だった。
 僕は意を決し見守ることにする。

 俊之は裕美子のバスローブを剥ぎ取り、僕が見ているのも構わず乳房にむしゃぶりつく。

「あ、あん、だめえ、あなたぁ、あはっあ、あ」

 裕美子は頬に添えられていた俊之の親指に気づき、しゃぶりはじめる。
やはり彼女は口寂しいのだ。そのことに気づいた俊之も、口の中の指を出し入れして動かしてやっている。

「んんん、むふん、あふう」

 こうなってくるともう鑑定の必要はないだろう。寧ろ僕はお邪魔虫だ。

 部屋はだんだんと熱気を帯びていき、甘いキャラメルの匂いと香ばしいピーナッツのような汗の匂いが混じりあう。さらには濃厚なチーズの香りが漂ってくるようだ。
 熱波にやられるかのように息苦しくなって来た僕は、立ち去ろうかと考え始めていた。
――もうこの夫婦は大丈夫だろう。
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