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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第3章 ジェミニの女 好奇心の章
 一週間が経ち、また僕は講座を終えた帰りにバーに立ち寄った。

「こんばんは」
「いらっしゃいませ。お待ちですよ」
「んん?」

 かっちりと髪をセットしているマスターに、視線で奥に誘導されるとカウンターにチセが座っていて、明るい声で「せーんせっ」と僕に手を振った。

 モスグリーンのトレンチコートを預け彼女の隣に座り、ウィスキーをロックで頼んだ。

「やあ。またこの辺の取材?」
「ううん。せんせえとお話ししたかったの」
「そう」

 若くてかわいい女の子にそういわれると満更でもなく、いい歳をして浮かれるような気分がした。
 運ばれてきたウィスキーの琥珀色を少し眺めていると、チセも同じものを注文し色を眺めた。

「大丈夫? 結構強いよ?」
「ですよねえ。ちょっとなら大丈夫かなって。ほら、アタシって軽いのを色々飲むでしょお? 
たまにはせんせみたいに深く狭くしてみたいなって」

 ロックグラスを両手で持ち、匂いを少し嗅ぐと彼女は目をぱちぱちしばたたかせた。グラス傾けると、ほんの少しの琥珀色の液体が、彼女のピンク色のグロスで光った唇に触れた。

「うー。なんか唇がびりびりする~」
「水割りにしてもらったら?」
「いえっ。もういっかい」

 今度は少し口に含んだ様だ。

「どう? 平気?」
「うーん。味はなんていうか案外、甘味を感じるんですねえ。鼻から抜けるとなんかすごい」

 口にウィスキーを含みながら、視線を天井に泳がせ味わっているようだ。僕はチセの様子を黙って見守っている。

「慣れると美味しいですね。すっきりする」
「うん。上等なのは雑味がなくてね。胸がかっとするけど爽やかだよ」
「なーるほどー」
 
慣れたらしいチサはペースが速くなった。

「同じ物、おかわり」
「ちょっとチセちゃん。速いって。水も飲みなさい」
「はーい」
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