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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第5章 レオの女 権力の章
「すまんね。星樹君。
来季から麗子がスクールに関わってくるもんだから、やる気満々でね」
「いえ。麗子さんみたいなパワーがある人は必要ですよね」
「うーむ。若さゆえの傲慢さか強引さか……。まだまだ目先の事しか見えなくてね。
その点、蘭子はさすが先々の事までよく見通してた」
玄治郎は僕の存在を忘れているかのように、遠くに思いを馳せているようだ。
僕の師である紅月蘭子は、何人も有名な占い師を育てたが一番不肖であろう僕の占い師名に、『月』の一文字と色を与えてくれた。
マスコミに踊らされ、有頂天になっている僕の姿を、呆れる思いで見ていたに違いない。ろくな恩返しも出来ないまま、彼女は亡くなった。
紅月蘭子は僕にとっては育ての母であった。実母に対してもそうだが、どうしてこうも親不孝者なのだろうと、自分の不甲斐なさを感じていた。
ぼんやり回想していると、玄治郎も現実に戻ってきたかのように、咳払いし立ち上がる。
「呼び出して済まないね。一応麗子を少しでいいから納得させてもらえないかな。
わしとしては、星樹君にはいつまでもこのスクールに居てもらえたらと思ってるんだ」
「ありがとうございます。僕も占星術家のはしくれですから、そちらのほうで頑張ってみますよ」
優しく頷く玄治郎に頭を下げ、僕も理事長室を後にした。
来季から麗子がスクールに関わってくるもんだから、やる気満々でね」
「いえ。麗子さんみたいなパワーがある人は必要ですよね」
「うーむ。若さゆえの傲慢さか強引さか……。まだまだ目先の事しか見えなくてね。
その点、蘭子はさすが先々の事までよく見通してた」
玄治郎は僕の存在を忘れているかのように、遠くに思いを馳せているようだ。
僕の師である紅月蘭子は、何人も有名な占い師を育てたが一番不肖であろう僕の占い師名に、『月』の一文字と色を与えてくれた。
マスコミに踊らされ、有頂天になっている僕の姿を、呆れる思いで見ていたに違いない。ろくな恩返しも出来ないまま、彼女は亡くなった。
紅月蘭子は僕にとっては育ての母であった。実母に対してもそうだが、どうしてこうも親不孝者なのだろうと、自分の不甲斐なさを感じていた。
ぼんやり回想していると、玄治郎も現実に戻ってきたかのように、咳払いし立ち上がる。
「呼び出して済まないね。一応麗子を少しでいいから納得させてもらえないかな。
わしとしては、星樹君にはいつまでもこのスクールに居てもらえたらと思ってるんだ」
「ありがとうございます。僕も占星術家のはしくれですから、そちらのほうで頑張ってみますよ」
優しく頷く玄治郎に頭を下げ、僕も理事長室を後にした。