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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第6章 バルゴの女 処女の章
カルチャースクールの理事長の孫である、獅童麗子と肉体関係を持ってから一ヶ月ほどになる。はっきり恋人関係とは言えないものの、よく二人で逢うようになっていた。
いつまで続くかわからない関係だけれども、さすがにさっきの『お願い』はむっとする。
そして自分なりに一つの決意を、麗子にぶつけることにした。
数日後、麗子からマンションに呼び出された。予想が出来ているにもかかわらず、足が向いてしまう。
訪れると案の定、乙羽真澄も一緒だった。
「初めまして。乙羽真澄と申します」
蘭の花の様な麗子の隣に、ひっそりと咲く菫の様な清楚な中年女性が、透き通った声で自己紹介をした。
「緋月星樹です」
真澄は真黒なストレートボブで、紺のロングスカートに白いブラウスと言った、いで立ちで教会のシスターに近い雰囲気を感じさせる。
「お願いよ。星樹さん」
しんみりとした空間を打ち砕くような、明るいオーラを持つ麗子が立ち上がって再度、僕に頼み込んでくる。
腹の中にたまっていた息を、長く吐き出して僕は麗子に向かって答えた。
「真澄さんを観るのであれば、個人的に君とかかわることはやめたいと思ってる」
麗子は絶句してガクッと膝を折り、ソファーに座った。
真澄が麗子の背中を優しく擦りながら「すみませんでした。麗子に不安を漏らしてしまうと、この娘ったら『大丈夫にしてくれる人がいるのよ』って言いますもので任せていたらなんだか……、ご迷惑をかけているようで」と申し訳なさそうな表情を見せる。
「真澄ママ……。あたし、あたし、ママに幸せになってもらいたくて……。」
麗子は真澄を叔母ではなく、母と呼んでいる。
黙って見ていると麗子を目に強い意志をたくわえ僕に向かって言った。
「お願いします。緋月先生」
ああ……。これが彼女の答えなのか。僕と真澄の秤は、完全に真澄のほうが勝るらしい。
「わかりました。行きましょう」
僕は真澄に手を差し出した。
「え?」
真澄は全く何がどうなっているのかわからない、という表情で麗子と僕を見比べている。
そんな真澄の手を強引にとり、麗子のマンションを後にした。
もう訪れることのないこの部屋に、立ち尽くす孤高の女王と決別した。
いつまで続くかわからない関係だけれども、さすがにさっきの『お願い』はむっとする。
そして自分なりに一つの決意を、麗子にぶつけることにした。
数日後、麗子からマンションに呼び出された。予想が出来ているにもかかわらず、足が向いてしまう。
訪れると案の定、乙羽真澄も一緒だった。
「初めまして。乙羽真澄と申します」
蘭の花の様な麗子の隣に、ひっそりと咲く菫の様な清楚な中年女性が、透き通った声で自己紹介をした。
「緋月星樹です」
真澄は真黒なストレートボブで、紺のロングスカートに白いブラウスと言った、いで立ちで教会のシスターに近い雰囲気を感じさせる。
「お願いよ。星樹さん」
しんみりとした空間を打ち砕くような、明るいオーラを持つ麗子が立ち上がって再度、僕に頼み込んでくる。
腹の中にたまっていた息を、長く吐き出して僕は麗子に向かって答えた。
「真澄さんを観るのであれば、個人的に君とかかわることはやめたいと思ってる」
麗子は絶句してガクッと膝を折り、ソファーに座った。
真澄が麗子の背中を優しく擦りながら「すみませんでした。麗子に不安を漏らしてしまうと、この娘ったら『大丈夫にしてくれる人がいるのよ』って言いますもので任せていたらなんだか……、ご迷惑をかけているようで」と申し訳なさそうな表情を見せる。
「真澄ママ……。あたし、あたし、ママに幸せになってもらいたくて……。」
麗子は真澄を叔母ではなく、母と呼んでいる。
黙って見ていると麗子を目に強い意志をたくわえ僕に向かって言った。
「お願いします。緋月先生」
ああ……。これが彼女の答えなのか。僕と真澄の秤は、完全に真澄のほうが勝るらしい。
「わかりました。行きましょう」
僕は真澄に手を差し出した。
「え?」
真澄は全く何がどうなっているのかわからない、という表情で麗子と僕を見比べている。
そんな真澄の手を強引にとり、麗子のマンションを後にした。
もう訪れることのないこの部屋に、立ち尽くす孤高の女王と決別した。