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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第6章 バルゴの女 処女の章
「こんな車ですみません」

「いえ。案外乗り心地がいいんですのね。見晴らしもよくて」


 SUV車に乗ることなど、ほぼないのであろう真澄は新鮮な感想を呟いていた。
しばらく車を走らせ、市街のラブホテルへと入る。

 ここは以前牛島夫妻を鑑定したラブホテルだ。



「こ、ここは……」

「ラブホテルです」


「え、あ、はあ……」

 おっとりとしているのか主体性がないのか。もしくは状況に流されながら観察しているのか。
僕はペルセポネーを連れ去るハーデスの様に、ホテルに連れ込む。部屋を選ばずに受付に直接出向き、一番いい部屋を用意させた。

 牛島夫妻の好意で僕が利用するときは、最も手入れの行き届いた部屋を確保してくれることになっている。まさか本当に使うことになるとは思わなかったし、相手が真澄でなければわざわざ上等な部屋を用意させることもなかっただろう。

「この部屋ですよ」

 真澄はきょろきょろと部屋を見渡す。彼女の人生にはこのような場所はまるで別世界の様なものでラブホテルに関する知識など持ち合わせておらず、全くの異世界に来てしまったような表情だ。

 ペルセポネーは初めての冥界を、今の真澄の様に見まわしたかもしれない。ゆるゆると室内を歩き、床から天井までをぐるりと眺めている。

 この部屋は薄いブルーで統一されており、冷ややかな雰囲気だ。これからの行為を考えるとあまり盛り上がりに欠けそうな色味だが、乙女座の真澄はおそらく清潔感を重視するはずで、ギラギラと淫靡な色合いでは逆に委縮してしまうだろう。
 僕にとっても雄の欲望が抑えられるのでいいかもしれない。
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