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性用占精術 秘密のセックス鑑定
第6章 バルゴの女 処女の章
「始めましょうか」
ハッとしてこちらを振り向き、真澄は身体を強張らせた。
「あの、いったい、何をするのでしょうか。あなたと麗子が諍う理由がよくわかりませんの」
麗子と真澄の話は通じ合ってないのであろうか。
「麗子さんは僕にあなたを抱かせたいのですよ」
「え? ダカセル?」
「ええ。あなたが結婚初夜を恐れていることを彼女は心配してるんです」
「まあ……。あのこったら……」
真澄は困惑した様子だが一息つき、ベッドに腰かけて静かに話し始めた。
「麗子に誤解させたようです。確かに不安ではありますが本当に心配なのは、身体よりも私の残り火のような気持ちなんです」
「気持ち?」
「はい。私にはずっと想っていた方がいたんです。告げることもなく終わりましたが」
彼女はミッション系のスクールで、若いころは男性と触れずに過ごしてきた人生だ。そして家族以外で唯一気を許した男は、神父だった。
習慣ともいえる教会通いで二十代も信仰と奉仕の日々であったらしい。
ある時、新しく年の近い若い神父がやってきた。彼は穏やかで柔らかい声を持ち、信仰に厚いまさに、神に人生を捧げた人物であったという。真澄は清らかな目で見つめていながらも、淡い恋心も抱き始めていた。何年も、教会で顔を合わせるだけの日々が続いたが満足だった。――指先が触れ合うときまでは。
真澄はうっかりと落としてしまった聖書を、神父に拾い上げられたときに、かすかに触れた指先に甘いしびれのようなものを感じた。それからというもの神父への尊敬の念が、神への信仰が俗にまみれた、穢れたものに変わってしまったのだと言う。
ハッとしてこちらを振り向き、真澄は身体を強張らせた。
「あの、いったい、何をするのでしょうか。あなたと麗子が諍う理由がよくわかりませんの」
麗子と真澄の話は通じ合ってないのであろうか。
「麗子さんは僕にあなたを抱かせたいのですよ」
「え? ダカセル?」
「ええ。あなたが結婚初夜を恐れていることを彼女は心配してるんです」
「まあ……。あのこったら……」
真澄は困惑した様子だが一息つき、ベッドに腰かけて静かに話し始めた。
「麗子に誤解させたようです。確かに不安ではありますが本当に心配なのは、身体よりも私の残り火のような気持ちなんです」
「気持ち?」
「はい。私にはずっと想っていた方がいたんです。告げることもなく終わりましたが」
彼女はミッション系のスクールで、若いころは男性と触れずに過ごしてきた人生だ。そして家族以外で唯一気を許した男は、神父だった。
習慣ともいえる教会通いで二十代も信仰と奉仕の日々であったらしい。
ある時、新しく年の近い若い神父がやってきた。彼は穏やかで柔らかい声を持ち、信仰に厚いまさに、神に人生を捧げた人物であったという。真澄は清らかな目で見つめていながらも、淡い恋心も抱き始めていた。何年も、教会で顔を合わせるだけの日々が続いたが満足だった。――指先が触れ合うときまでは。
真澄はうっかりと落としてしまった聖書を、神父に拾い上げられたときに、かすかに触れた指先に甘いしびれのようなものを感じた。それからというもの神父への尊敬の念が、神への信仰が俗にまみれた、穢れたものに変わってしまったのだと言う。