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お兄ちゃんといっしょ
第9章 第9章
「でもさぁ…。
 このままばあちゃんちに帰ってさ。
 “人でなしで極悪人”の兄貴とは二度と会わないってばあちゃんに泣いて謝らない限りさ。
 今日、このあと、知らないオッサンに会ってさぁ。
 どっかのしょーもないラブホテルに連れ込まれてよぉ。
 きったねーベッドの上かそこらでな?
 奈々の大事な大事な処女をくれてやんなきゃいけないんだよ?」


 あぁ…。 


 私は目を瞑り、背もたれに首を預けた。


「そんなの、いやなんだろ?」


 もう何も話したくない心境だった。
 それなのに。


「…もう、いいって。エッチしたらいいんでしょ。知らないオッサンと、二万円で」



 そんなふうに強がって。



「こう見えても、なんべんも補導されてるし。
 でも、泣いたことなんかないし」


 と、発言している自分にも驚いた。


 お兄ちゃんはいつもの調子で「うふ」と笑った。


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