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お兄ちゃんといっしょ
第9章 第9章
「奈々はたぶん、俺らのお父さんとお母さんみたいにさぁ、ちゃんとした会社で働くとか…
そうそう、ばあちゃんみたいに、ヘルパーさんにでもなって、施設に入れられてる重度の障害者の役に立てるような、そういう優しい大人になるのが向いてるよ」
青信号。
発進する車の助手席で私は膝を立てて小さく丸まり身を固くした。
おでこにくっついた膝は汗で湿っていた。
「…俺は奈々と違って遅咲きだったから、初めて警察につれてかれたのは、中一んときだった」
お兄ちゃんの話だけが、滑り込むように耳の中に入ってくる。
そうそう、ばあちゃんみたいに、ヘルパーさんにでもなって、施設に入れられてる重度の障害者の役に立てるような、そういう優しい大人になるのが向いてるよ」
青信号。
発進する車の助手席で私は膝を立てて小さく丸まり身を固くした。
おでこにくっついた膝は汗で湿っていた。
「…俺は奈々と違って遅咲きだったから、初めて警察につれてかれたのは、中一んときだった」
お兄ちゃんの話だけが、滑り込むように耳の中に入ってくる。