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お兄ちゃんといっしょ
第14章 第14章
肩を並べてホテルをあとにする。
清掃員の老婆はもう、フロントにはいなかった。
代わりに、中年のオヤジが受付に立った誠太郎の相手をした。
オヤジは一度も私のほうを見たりはしなかった。
「次も、小遣い欲しい?」
両開きの自動ドアを出た頃、誠太郎が私に尋ねた。
隣を歩く大人を見上げる。
「考えたんだけど」
「せこる気だ!」
間髪入れずに答える自分が可笑しかった。
「べつにそーいうワケじゃないってぇ」
駅に向かって歩く誠太郎の歩幅は、今日出会ったときよりもずっと広かった。
「まぁいーや。またラインするから。次いつ会うか、相談しよう」
誠太郎はもう私を見ず、オメガの文字盤ばかりを気にしてる。
もしかしたら最初から、終わり次第出勤するつもりでいたのだろうか?
クリトリスを噛む男だ。
真意は、分からない。
清掃員の老婆はもう、フロントにはいなかった。
代わりに、中年のオヤジが受付に立った誠太郎の相手をした。
オヤジは一度も私のほうを見たりはしなかった。
「次も、小遣い欲しい?」
両開きの自動ドアを出た頃、誠太郎が私に尋ねた。
隣を歩く大人を見上げる。
「考えたんだけど」
「せこる気だ!」
間髪入れずに答える自分が可笑しかった。
「べつにそーいうワケじゃないってぇ」
駅に向かって歩く誠太郎の歩幅は、今日出会ったときよりもずっと広かった。
「まぁいーや。またラインするから。次いつ会うか、相談しよう」
誠太郎はもう私を見ず、オメガの文字盤ばかりを気にしてる。
もしかしたら最初から、終わり次第出勤するつもりでいたのだろうか?
クリトリスを噛む男だ。
真意は、分からない。