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お兄ちゃんといっしょ
第3章 第3章
 ふと気が付くと、アニメ映画のエンドロールがテレビ画面に流れていた。

 
「お兄ちゃん、テレビ、終わっちゃった」


 画面を見つめたまま声を掛ける。
 くぐもったお兄ちゃんの返事が小さく聴こえた。


「ン…お前、なんでここにいんだよ。学校は」


 トンチンカンな返答。
 どうやらお兄ちゃんは珍しく嗜好品に上手に酔うことが出来たらしい。

 振り向くと、嗜好品を吸い終えたお兄ちゃんは、布団の上でうつ伏せの体勢で夢うつつ、といったところだった。
 壁時計に目をやる。


「もう11時だもん。今日は行かない」


 お兄ちゃんは壁時計と真逆の方向に顔を上げてから、私を真剣な表情で見つめた。


「ンン…もう11時?」
「そうだよ。今から行っても微妙だもん」
「そっか…なら、ちょっとこっち来い」


 胸がどきんと鳴って、ぱっと立ち上がる。
 エンドロールは流れ続けている。


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