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お兄ちゃんといっしょ
第16章 第16章
泣き腫らした瞼が重い。
ベランダを、生ぬるい風が吹き抜ける。
どうしたらお金をつくれるだろう。
どうしたら…。
頭を抱えながら煙草をふかしていると、ふと、真向かいのマンションの屋上に人影が見えることに気付いた。
こちらは十一階建てで、あちらは九階建てだから、私がベランダから見下ろしているかたちになる。
どうやら、若い男性のようだった。
すたすたと、歩いてくる。
こんなに蒸し暑いのに、スウェットパーカーを羽織って、フードを目深に被っている。
マンションは、細い路地を挟んだ向かい。
手に煙草とスマホを持っているのが見えた。
彼はあくびをしながら煙草に火をつけ、一口二口、スマホをいじりながら吸って、吸い殻を下に投げ捨てた。
…あの人、私と遊んでくれないかな。
誠太郎がしたみたいに。
鼻をすすりながら、無意識のうちにお兄ちゃんから請求された金額のことを考えてしまう。
向かいの屋上の男性は、大きく伸びをすると、手に持っていたスマホをなんのためらいもなく下に投げ捨てた。
心臓がドクン、と気味悪く跳ねた。
ベランダを、生ぬるい風が吹き抜ける。
どうしたらお金をつくれるだろう。
どうしたら…。
頭を抱えながら煙草をふかしていると、ふと、真向かいのマンションの屋上に人影が見えることに気付いた。
こちらは十一階建てで、あちらは九階建てだから、私がベランダから見下ろしているかたちになる。
どうやら、若い男性のようだった。
すたすたと、歩いてくる。
こんなに蒸し暑いのに、スウェットパーカーを羽織って、フードを目深に被っている。
マンションは、細い路地を挟んだ向かい。
手に煙草とスマホを持っているのが見えた。
彼はあくびをしながら煙草に火をつけ、一口二口、スマホをいじりながら吸って、吸い殻を下に投げ捨てた。
…あの人、私と遊んでくれないかな。
誠太郎がしたみたいに。
鼻をすすりながら、無意識のうちにお兄ちゃんから請求された金額のことを考えてしまう。
向かいの屋上の男性は、大きく伸びをすると、手に持っていたスマホをなんのためらいもなく下に投げ捨てた。
心臓がドクン、と気味悪く跳ねた。