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お兄ちゃんといっしょ
第16章 第16章
 向かいのマンションは、下がおかきメーカーの工事で、上が社員寮になっていると、お兄ちゃんが言ってた。
 たまに地域住人に向け、出来立てのおかきを安く販売することがあるらしい。



 お兄ちゃんが言ってた。
 あの会社、パートのおばちゃん連中のいびりがすごくて、新人が定着しないんだって。
 でもおかきは美味しいんだって。
 …そのマンションの屋上に、彼は佇んでる。



 向かいのマンションの屋上は、そもそも人が立ち入ることを前提としていないつくりなのか、柵そのものがなかった。



 だから彼はまるで、その先にまだ続きがあると思っていたんじゃないかと錯覚するような、なんの迷いもためらいもない様子で屋上の端の段差を乗り越えた。





「あっ!」





 目が合ったのは、彼が飛び降りる寸前だった。




 思わず声を上げてしまったせいで私の存在に気付き、こちらを見た彼の顔は、まだ幼かった。




 笑うわけでも怒るわけでも悲しむわけでもなく、ただふつうに、彼は段差を乗り越え、ためらうことなく、九階下の地面に飛び降りた。



 それはすべて、一瞬の出来事だった。



 なにが起きたのか頭で理解できたのは、地面の方から肉の塊が破裂する音が聴こえてきてからだった。

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