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お兄ちゃんといっしょ
第17章 第17章
「え、あの…大丈夫?」
頭上で低い声がして、目を開ける。
真っ先に唐揚げ棒が目に入った。
次に、ママチャリのスタンドを立てる、男子高校生の背中。
「倒れてくのが見えたから」
目の前に、先ほどの男子高校生2人がいた。
目を開けた私を、クロスバイクのハンドルを握ったままでいる黒縁メガネの男子高校生が、心底心配した様子で見つめている。
「どうした?しんどいの?1人?救急車よぶ?」
その横で、ニキビ面のほうが、冷静に私に声を掛けている。
どうやら、私が倒れて…いや、事実その通りなんだけれど、心配して声を掛けてくれたらしい。
「すみません、大丈夫です」
小声で詫ながら起き上がる。
間近で見る男子高校生は、お兄ちゃんより一回り以上身体が大きかった。
昨日の誠太郎が子供のように思えるくらい、彼らは大きく見えた。
「熱中症?飲み物は?持ってる?」
言いながら黒縁メガネがクロスバイクのスタンドを立て、背負っていたリュックを下ろし、チャックを開け、中から水筒を取り出した。
氷がガランゴロン音を立てながら目の前に差し出さる。
「まだこれは口つけてないから、中身アクエリ…みたいな安いやつ、オカンが今朝入れてくれたやつだから」
差し出されるまま受け取り、蓋を開けてもらい、中身を飲んだ。
その傍らで、黒縁メガネは手に持っていた唐揚げ棒をすべて口に頬張ってしまった。
水筒の中身は、確かに、薄いスポーツドリンクの味がした。
頭上で低い声がして、目を開ける。
真っ先に唐揚げ棒が目に入った。
次に、ママチャリのスタンドを立てる、男子高校生の背中。
「倒れてくのが見えたから」
目の前に、先ほどの男子高校生2人がいた。
目を開けた私を、クロスバイクのハンドルを握ったままでいる黒縁メガネの男子高校生が、心底心配した様子で見つめている。
「どうした?しんどいの?1人?救急車よぶ?」
その横で、ニキビ面のほうが、冷静に私に声を掛けている。
どうやら、私が倒れて…いや、事実その通りなんだけれど、心配して声を掛けてくれたらしい。
「すみません、大丈夫です」
小声で詫ながら起き上がる。
間近で見る男子高校生は、お兄ちゃんより一回り以上身体が大きかった。
昨日の誠太郎が子供のように思えるくらい、彼らは大きく見えた。
「熱中症?飲み物は?持ってる?」
言いながら黒縁メガネがクロスバイクのスタンドを立て、背負っていたリュックを下ろし、チャックを開け、中から水筒を取り出した。
氷がガランゴロン音を立てながら目の前に差し出さる。
「まだこれは口つけてないから、中身アクエリ…みたいな安いやつ、オカンが今朝入れてくれたやつだから」
差し出されるまま受け取り、蓋を開けてもらい、中身を飲んだ。
その傍らで、黒縁メガネは手に持っていた唐揚げ棒をすべて口に頬張ってしまった。
水筒の中身は、確かに、薄いスポーツドリンクの味がした。