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お兄ちゃんといっしょ
第19章 第19章
「誰に金かりてんの?」
カーテンの外は紺色。
恐らく今は夜中といったところだろうか。
遥輝が涙を堪える私の口にコップをつけた。
口の中に少量の水分が流れ込み、渇いた口内に染み渡った。
その瞬間、堰を切ったように涙が溢れ、私は泣いた。
「奈々ちゃんさぁ、一体、なにがあったの?」
私にそう尋ねるのはやはり、永翔のほうだった。
案の定、遥輝が「そんなこと聞くなよ」と、永翔をたしなめた。
「知ったって、俺らはなんもできないし、そもそもなんもしないじゃん」
遥輝はそう言うくせに、嗚咽する私の髪を優しく撫でてくれた。
「よかったじゃん、いれさせてくれたら遥輝があとの1万7千円払ってくれるって」
永翔がそう言って笑うと、遥輝は怪訝な顔で首を左右に振った。
「だから無理だって。ゾゾタウンの支払いあるもん」
私の髪をなでながら、遥輝は切れ長の一重瞼で、じっと私を見下ろしている。
不安が募る。
今の私にはお金をつくることができない。
あと1万7千円…。
どうやったら用意できるだろう…。
考えたら余計に涙がでた。
カーテンの外は紺色。
恐らく今は夜中といったところだろうか。
遥輝が涙を堪える私の口にコップをつけた。
口の中に少量の水分が流れ込み、渇いた口内に染み渡った。
その瞬間、堰を切ったように涙が溢れ、私は泣いた。
「奈々ちゃんさぁ、一体、なにがあったの?」
私にそう尋ねるのはやはり、永翔のほうだった。
案の定、遥輝が「そんなこと聞くなよ」と、永翔をたしなめた。
「知ったって、俺らはなんもできないし、そもそもなんもしないじゃん」
遥輝はそう言うくせに、嗚咽する私の髪を優しく撫でてくれた。
「よかったじゃん、いれさせてくれたら遥輝があとの1万7千円払ってくれるって」
永翔がそう言って笑うと、遥輝は怪訝な顔で首を左右に振った。
「だから無理だって。ゾゾタウンの支払いあるもん」
私の髪をなでながら、遥輝は切れ長の一重瞼で、じっと私を見下ろしている。
不安が募る。
今の私にはお金をつくることができない。
あと1万7千円…。
どうやったら用意できるだろう…。
考えたら余計に涙がでた。