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お兄ちゃんといっしょ
第19章 第19章
「…電話してみようかなぁ」


 突然、遥輝が静かに呟いた。


 永翔が黙って顔を上げる。
 遥輝は顔色ひとつ変えずに言った。


「…今すぐ送金してって」


 遥輝は私の髪を撫でていた手を、ゆっくり、私の頬にすべらせた。 
 指先が渇いた唇に触れる。


「そう言って…あのババアが俺のちんこに1万7千円の価値を見出しているかどうか、確かめてみようかな」


 遥輝の指が私の口の中に差し込まれる。
 私の涙がついた中指が舌の上にのる。
 少ししょっぱかった。 



 永翔はニヤッと笑い、「いいね」と言った。
 遥輝は私の口の中を指でいじりながら、iPhoneを操作した。


「俺のちんこにその価値がなかったら、明日、ほかの仲間を呼ぶから。だから泣かないで」


 そう言って、遥輝はLINE着信をはじめたようだった。


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