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お兄ちゃんといっしょ
第19章 第19章
 遥輝はしばらく、無言で何度か頷いていた。
 口元は三日月型に歪んで、歯が見えていた。

 遥輝の指先が奥歯を離れ、一度引き抜かれ、また、差し込まれた。
 その動きはまるで、おちんこを膣の中に挿入したかのようで、私の身体は意識するより前にじぃんと痺れた。


 そんな私に気付くはずもなく、じきに遥輝は言った。


「あ…そう。うん、LINE。
 うん。
 ありがと」


 遥輝は次の約束はいつにするだとか、好きだとか、そんな台詞を一度も吐くことなく、呆気なく通話を終えた。


「…送ってくれるって?」


 永翔は笑いながら、待ってましたとばかりに遥輝に尋ねた。
 遥輝は首を捻りながら、


「うん」


 と、つまらなさそうに答え、
 スッと私の口から指を引き抜いた。



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