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お兄ちゃんといっしょ
第3章 第3章
 スンスンスンスン、お兄ちゃんは執拗に私の手の匂いを嗅ぐ。
 熱い鼻息が私の手を湿らせる。


 今朝あのまま寝たふりをして、ぐっしょり濡れた下着も履き替えず自然に乾くままにし、シャワーすら浴びなかった私の手の匂いを、執拗に。 


「男を覚えたろ。クラスのヤツとか、誰かと」

 
 ノーブラの乳首が痛いほど勃って、Tシャツに触れて痛い。
 手を触れられてるだけなのに、身体の中央から快感が広がって、全身が甘く痺れる。


「でなきゃ、子供のくせにこーんな甘い匂い身体じゅうからぷんぷんさせて…指に女の匂いつけてさ。俺の枕にまで女の匂いをつけて、兄貴の俺まで男の気持ちにさせるようなことはさあ…」


 お兄ちゃんの肩にも、玉のような汗が浮んでるのが見えた。


「絶対するはずないだろ。なあ、奈々?」


 私を見つめるお兄ちゃんの横顔から筋髭を伝って汗が滴り落ち、布団を濡らした。
 汗で湿った長い前髪の隙間から、お兄ちゃんが真っ直ぐ私を見つめている。


「なぁ、そうだろ?」



 
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