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お兄ちゃんといっしょ
第23章 第23章
会社のトイレで倒れているのを発見され。
救急車で市立病院に搬送されたらしいパパは、私達が到着するまでは息をしていたらしい。
「龍司!?」
久しぶりに会うママは、こんなに派手な人だったっけ、と首を傾げたくなるほど、明るい色のパーマヘアーで、全身、伊太利屋の服を着てた。
なんか、細木数子みたいだなって思った。
「ちょっとお母さん、龍司にまで連絡したの?」
お兄ちゃんと私が病室に入ってきたのに気付くなり、ママはあからさまに嫌な顔をして、おばあちゃんを睨んだ。
「仕方ないでしょう、会社の人が今朝、あんたのダンナから、自分になにかあったら息子の龍司に連絡するように頼まれてたんだって…」
…なんとなく、状況を読めてしまう自分が嫌だった。
「あんなに泣かれたら仕方ないじゃない。
それにさっきはまだ、あんたのダンナ、息してたんだから」
こんな状況下でママを睨み返すおばあちゃんはやはり、この女の母親に相応しい女だ。
「ドアノブで首吊ったって…死んだの?」
だから…と考えていいのか分からないけれど。
お兄ちゃんはストレートに、そう尋ねた。
おばあちゃんとママは、鬼みたいな顔をしてた。
まるで自分たちは悪いことなど今までに一度もしたことがないような顔で。
救急車で市立病院に搬送されたらしいパパは、私達が到着するまでは息をしていたらしい。
「龍司!?」
久しぶりに会うママは、こんなに派手な人だったっけ、と首を傾げたくなるほど、明るい色のパーマヘアーで、全身、伊太利屋の服を着てた。
なんか、細木数子みたいだなって思った。
「ちょっとお母さん、龍司にまで連絡したの?」
お兄ちゃんと私が病室に入ってきたのに気付くなり、ママはあからさまに嫌な顔をして、おばあちゃんを睨んだ。
「仕方ないでしょう、会社の人が今朝、あんたのダンナから、自分になにかあったら息子の龍司に連絡するように頼まれてたんだって…」
…なんとなく、状況を読めてしまう自分が嫌だった。
「あんなに泣かれたら仕方ないじゃない。
それにさっきはまだ、あんたのダンナ、息してたんだから」
こんな状況下でママを睨み返すおばあちゃんはやはり、この女の母親に相応しい女だ。
「ドアノブで首吊ったって…死んだの?」
だから…と考えていいのか分からないけれど。
お兄ちゃんはストレートに、そう尋ねた。
おばあちゃんとママは、鬼みたいな顔をしてた。
まるで自分たちは悪いことなど今までに一度もしたことがないような顔で。