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お兄ちゃんといっしょ
第23章 第23章
「こないだ出掛けたとき…もしかしてパパに会ってたの?」



 私がようやく口を訊けたのは、お兄ちゃんのアルファードに乗り込み、病院を出てかなり経った頃だった。



「うん」



 お兄ちゃんは思い出したかのように笑い、フッと鼻を鳴らした。




「俺たちのパパはさぁ…ちょっと悪い癖があって」




 お兄ちゃんはそう言うとズボンからゴソゴソと煙草を取り出し火をつけた。
 


「親父には色々世話になったから。
 だから2回目までは助けてやったんだ、でも」



 白い煙を深く吐き出すお兄ちゃんは、ため息をついたようにも見えた。




「バカは死ななきゃ治らないから」




 自分の実の父親をバカと呼んだお兄ちゃんの気持ちは、会社のトイレで首を吊って自殺したお父さんの実の娘である私にも、よく分からなかった。




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