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お兄ちゃんといっしょ
第23章 第23章
育てられた経験も記憶もないから、悲しいとか、ショックとか、そんな感情がまったくない自分が不思議だった。
私の目の前で飛び降り自殺した男子高校生を思い出す。
飛び降りる瞬間に目が合った、あの時の瞳が脳裏に焼き付いていて離れない。
身体をぶるっと震わせ、私は助手席で三角座りをした。
「…パパがお金に困ってたなんて、全然知らなかった」
「そりゃそうだよ。
誰にも内緒で借金繰り返してたんだから。
アイツら、あとで金融会社からの請求書見て目玉飛び出すだろうな」
「…なんでお兄ちゃんは知ってるの?」
お兄ちゃんはしばらく黙り込んだあと、
「うふ」と笑った。
「そっか…奈々にはこの話したことなかったもんな」
お兄ちゃんはそう言うと、話を始めた。
私の目の前で飛び降り自殺した男子高校生を思い出す。
飛び降りる瞬間に目が合った、あの時の瞳が脳裏に焼き付いていて離れない。
身体をぶるっと震わせ、私は助手席で三角座りをした。
「…パパがお金に困ってたなんて、全然知らなかった」
「そりゃそうだよ。
誰にも内緒で借金繰り返してたんだから。
アイツら、あとで金融会社からの請求書見て目玉飛び出すだろうな」
「…なんでお兄ちゃんは知ってるの?」
お兄ちゃんはしばらく黙り込んだあと、
「うふ」と笑った。
「そっか…奈々にはこの話したことなかったもんな」
お兄ちゃんはそう言うと、話を始めた。