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お兄ちゃんといっしょ
第24章 第24章
「奈々ちゃんのが一番感じる。マジで…可愛いし…エロいし…」
ラグビー部の集合写真の中央で、主将らしく堂々と笑っていた遥輝がいまは、私の目の前で、潤んだ瞳で私を見ている。
家に帰ればお母さんが晩ごはんを作っていてくれるんだろう、何もかも私とは違う人生を歩んでいる遥輝が今だけは、私を一心に見つめている。
こんな快感って、今までに経験したことがなかった。
「じゃあ…エリさんと別れないと、今すぐ帰るって言ったら?」
我ながら、図々しい質問だなとは思った。
遥輝はまたもや湯快リゾートのポスターを見つめ、「うーん…」と唸った。
42歳の既婚者のおばさんの存在は、それほどまでに遥輝の中では大きいものらしい。
「やっぱりその程度なんでしょ、私のことなんか」
言ってから気付く。
私の心の中にもお兄ちゃんがいるんだから、同じなのに。
それでも、私は一番になりたかった。
今だけでいいから、誰かの一番に。
誰かの心の中をいっぱいにするくらいの、一番に。
ラグビー部の集合写真の中央で、主将らしく堂々と笑っていた遥輝がいまは、私の目の前で、潤んだ瞳で私を見ている。
家に帰ればお母さんが晩ごはんを作っていてくれるんだろう、何もかも私とは違う人生を歩んでいる遥輝が今だけは、私を一心に見つめている。
こんな快感って、今までに経験したことがなかった。
「じゃあ…エリさんと別れないと、今すぐ帰るって言ったら?」
我ながら、図々しい質問だなとは思った。
遥輝はまたもや湯快リゾートのポスターを見つめ、「うーん…」と唸った。
42歳の既婚者のおばさんの存在は、それほどまでに遥輝の中では大きいものらしい。
「やっぱりその程度なんでしょ、私のことなんか」
言ってから気付く。
私の心の中にもお兄ちゃんがいるんだから、同じなのに。
それでも、私は一番になりたかった。
今だけでいいから、誰かの一番に。
誰かの心の中をいっぱいにするくらいの、一番に。