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お兄ちゃんといっしょ
第4章 第4章
 続けて、お兄ちゃんは優しい口調で言った。


「肉、魚、炭水化物。もしくは食いたくない」


 アクセルを踏み、片手でハンドルを操作。
 車がゆっくりと発進する。

「さあ、どれ?」

 質問の意図が分からずにいた私に、お兄ちゃんは再度同じことを繰り返した。


「あ…たべたくない、です」


 二度目の問いでようやく意味を理解した私は、そう答えた。
 というより、そう答えるほかなかった。
 お兄ちゃんは真顔で「おりこう」と答え、信号待ちで煙草に火をつけた。



 お兄ちゃんはどこに車を走らせているんだろう?
 考えているあいだに、お兄ちゃんは次の問い掛けを私に投げかけた。


「なんでいきなり連絡してきたの?」


 さっきまでの笑顔はなんだったのかと思うほど、お兄ちゃんの横顔はそっけなかった。


 しかし、その横顔が冷たくなれば冷たくなるほど、私の胸の高鳴りと身体の火照りは増していく一方だった。


 
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