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お兄ちゃんといっしょ
第4章 第4章
「俺ほどじゃないって…?俺のこと、なんかしら、ばあちゃんから聞いたの?」


 煙を吐き出しながら、お兄ちゃんは尋ねた。
 小さく頷くと、お兄ちゃんはまた「ふーん」と言った。


「で、俺に会ってみて、どう?」


 お兄ちゃんはまたそっけなく、私に尋ねた。


「まだよく分からない」


 素直に答えると、お兄ちゃんはやっとさっきみたいな愛嬌のある笑顔を顔いっぱいに浮かべて「そっか」と言った。


 車は走り続けた。
 JRの巨大な車両置き場の近くに差し掛かると突然右折。
 車両置き場に隣接した、これまた広大な敷地の中に侵入し、守衛室の手前で車を停めた。
 奥のほうにひらべったい形の巨大な建物が見えた。
 水に濡れたアスファルトや、カゴ台車のようなものが並んでいるのも見えた。


「俺の職場。あそこ入ってすぐだから、来たら分かると思う」


 建物に大きく“○○卸売市場”と書かれていたのを見てはじめて、ここが市場なのだと理解できた。
 想像していたよりずっと、市場は近代的な雰囲気だった。


「あっちは野菜の建物。俺らのいる魚はこっちな。今から最寄り駅の方まで走ってやるから。道順、ちゃんと覚えときな」


 ハッとして、お兄ちゃんの横顔を見つめた。
 お兄ちゃんはそれきりもう、なにも言わなかった。

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