この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
お兄ちゃんといっしょ
第5章 第5章
金縛りにあったように答えられずにいると、オッサンが近付いてきた。
台車の車輪音が閑散とした市場内にガラガラと響く。
ゆうべ家を出たときはどんな人生になってもいいと思ったのに。
近づいて来るオッサンが怖くなった私は正直に、
「○○水産ってとこ探してます」
と、恐る恐るオッサンに告げた。
オッサンは眉間に皺を寄せた。
「○○?○○水産だな?」
黙って頷く。
するとオッサンはしゃがれた声で「入り口入ってすぐの、ずっと奥の方にあるからな。あぶねぇから、早く帰んだぞ」と教えてくれた。
アスファルト敷の通路はあちこち水たまりが出来ていて、歩くたびにピチャピチャ足音が鳴った。
足音に混じって男性の話し声が聞こえてきた頃、お兄ちゃんの店の看板が見えた。
薄暗い空間に若い男性が2人で話しをしている姿が、白熱灯の明かりに照らされていた。
台車の車輪音が閑散とした市場内にガラガラと響く。
ゆうべ家を出たときはどんな人生になってもいいと思ったのに。
近づいて来るオッサンが怖くなった私は正直に、
「○○水産ってとこ探してます」
と、恐る恐るオッサンに告げた。
オッサンは眉間に皺を寄せた。
「○○?○○水産だな?」
黙って頷く。
するとオッサンはしゃがれた声で「入り口入ってすぐの、ずっと奥の方にあるからな。あぶねぇから、早く帰んだぞ」と教えてくれた。
アスファルト敷の通路はあちこち水たまりが出来ていて、歩くたびにピチャピチャ足音が鳴った。
足音に混じって男性の話し声が聞こえてきた頃、お兄ちゃんの店の看板が見えた。
薄暗い空間に若い男性が2人で話しをしている姿が、白熱灯の明かりに照らされていた。