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お兄ちゃんといっしょ
第5章 第5章
 車は知らない道を走り続けている。
 正直に話して、受け入れてもらえるだろうか。

 …おばあちゃんは、もう私がいなくなってることに気付いただろうか。

 どう答えようか考えているあいだに、お兄ちゃんが言った。
 やっぱり、優しい口調だった。


「…俺、こー見えてもさあ、ばあちゃんにさぁ、毎月セーカツヒ送ってやってたんだよ」


 右側を見ると、お兄ちゃんは真っ直ぐ前を見つめながら話を続けた。


「ばあちゃんって金のハナシばっかじゃない?
 お前住まわしてる部屋にも毎日金がかかってて、綺麗に暮らさないと金を無駄にしてるとかどーこーってさあ」


 ふとハンドルを握るお兄ちゃんの手が目に入った。
 ごつごつした大きい手はかさかさに乾いていて、指にはところどころ赤切れが浮かんでいた。

 
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