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第5章 第5章

　もーすぐ着くから、と言ってから、お兄ちゃんは続けた。



「学校に行かなくたって、社会に出たら嫌でも人間関係を学ぶことになるしな。
　縦の繋がり横の繋がり。
　どこに行ってもその世界の輪があって、つながりがあって、その世界の癖を見極めて、弾かれないように上手く立ち回んなきゃ生きていけない。
　社会は学校よりシビアな世界だよ。
　自分の行動のひとつひとつが稼ぎに…暮らしに直結すんだからな。
　息なんか出来なくて当たり前だよ」


　
　ラジオの曲が終わり、女性DJが話し出す。
　黙っている私にお兄ちゃんが、


「俺も仕事辞めたいなぁ」



　と言った。