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お兄ちゃんといっしょ
第8章 第8章
 ショーツのウエストゴムに指を掛け、尻を浮かせて脱ぐ。
 膝のあたりでくるくる丸まったそれを片足ずつ抜き、キャミソールと一緒に丸めて手のひらの中に隠した。


 ゆっくり立ち上がり、風呂場へ歩く。
 お兄ちゃんはもう、私の服を見つけ出して、クローゼット扉の裏側についてる姿見で自分の姿を凝視しているところだった。


 背後を通り過ぎざまに、私の姿が写った。

 
 立ち止まり、お兄ちゃんの身体ごしに鏡を見る。
 

 鏡の中には、肩につかないくらい長さの外ハネのボブヘアの、やけに大人びた顔をした、やせっぽっちの子供が写っていた。


 やせっぽっちの身体に、なだらかに膨らんだおっぱいと、丸みを帯びた腰のラインは、どこか不似合いだった。


 マッチ棒みたいに真っ直ぐ伸びた両手足には女性らしさのかけらもないのに、腰から尻にかけてのラインだけは、いやらしいほどギャップのある柔らかい曲線を描いている。


 去年までは、どこもかしこも私の身体はキシキシしていた。
 尻も胸もうすっぺらかった。


 お兄ちゃんと暮らし始める前も、そうだった。
 いつの間に私の身体はこんなに変化しはじめていたのだろう。


 鏡の中の別人みたいな自分の姿に首を捻り、私は浴室のドアを開けた。


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