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第10章 快楽の虜 ―夢幻mugen―

「…ん…ぁあっ……、ぁうっ……」

思わず漏れた自分の声に驚いてうっすら目を開ける。

ボンヤリ見詰めた先には、俺に覆い被さる耿輔の姿。
　
着ていたＴシャツは肩までたくし上げられ、露わになった俺の胸をヤツの手が卑猥になぞる。

耿輔は、片手で俺の乳首を弄びながら、もう一方の手で俺の肩を押さえ付け、反対の乳首を器用に吸い上げていた。緩急を付けながら乳首を吸われ、痺れるような感触が走る。

時々、痛みを感じるほど容赦なく吸い上げられるが、それすら甘美な刺激。

「あっ、ぁ…、あぁっ……、ゃ…だ…コ…ゥ……」

「…可愛い…モトミ…、もっと声聞かせて…」

「…は…ふぅ……、……はあぁっ……」


声を止(とど)めたいのに、乳首を離れた指先を口腔に捻り込まれてそれも許されない。

口許から溢れた涎が喉を伝う。

呼吸の度に、甘い喘ぎが間断なく漏れた。

堪らなく恥ずかしい…乳首を弄られただけでこんなに感じるなんて。