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第10章 快楽の虜 ―夢幻mugen―


『…ゃ…め・…、先輩ヤ…ダ…、放し…て…』


息が苦しい…、呼吸が上手く出来ない…あの日と同じ。

こんなこと、もうたくさんだ!!


(…ぁあうっ…、コ・ゥ……、止めろ…)


指先が急激に冷たくなって目の前が霞んでくる。

得体の知れない恐怖に怯えて、反射的に耿輔の腕を掴んだ。それこそ、なけなしの力を振り絞って。


「…ッ痛っ…、モ…トミ…。どうしたんだよ…ォィ!…モトミ?…」


異常を察した耿輔が俺の躯を大きく揺さぶる。

朦朧とした頭に響く耿輔の心配そうな声。

「あん時とおなじだな、モトミ。好きだって云ってくれたのに、触れることも出来ないのか…」


そのままそっと抱き起こされて、ヤツの胸に優しく包み込まれた。
 
俺は、空気を求めて藻掻くような呼吸を繰り返す。


 …足りない、もっと、もっと…


耿輔は俺がなんとかまともな状態に戻ったのを確認すると、俺を再びベッドに戻した。
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